夕焼けの滑走路

毎年この時期は、母校の古い桜に、
学生時代の友人たちとささやかに集まっている。
今年は傾きかけたオレンジの太陽に向かって長い桜並木の下を歩く。
もうお花見の人たちもいなくなった夕方のキャンパスで、
はらはら風に舞う花びらを一身に受ける。


今のこと、最近考えてること、
もうすっかり忘れてたけど、話していると次々思い出すあの頃のこと、
真っ暗になるまで話して、家に帰ってふと気づく。


これって、大学生の頃、帰省して大学に戻ってきたときにいつも感じてた感覚に似てる。
自分の足場を確かめて、日常を仕切り直すようなリセット感。
彼らと過ごした大学での4年間が今の私のホームタウンになっていることに気づいて、そのかけがえのなさをあらためて知る。
普段友達に会う時間なんて全然なくて、
もう友達なんて私にはいないのかもしれないと思ってたけど、
私にも友達っているんだな。


つい色んなことに溺れそうになるけど、
今日からまたがんばろう。
腐らずに胸張って生きてこ。