pir2005-02-19

土曜日の午前中。
珍しく早く起きて友だちと一緒にネイルケアを教えてもらいに行った帰り、前から気になっていた、カレー屋の二階にある小さな喫茶店に入ってみた。
お客さんがカウンターにひとり。私たちがドアを開けても、マスターはテレビの競馬を見続けていた。
ガムテープで修繕がなされたソファのテーブル席に座ると、おじさん(マスター)はカウンターに水をおき、友だちが立ち上がってテーブルまで運んでくれた。
微妙な空気の中「コーヒー?」と聞かれ、いえ、ポークカレーセットをと頼むと、マスターはおもむろに電話をかけだした。
「あ、ポークカレー2つ」
しばらくすると、カレーと福神漬を持ったお姉さんが階段を上ってやってきて、マスターに差し出したから驚いた。
おいおい、階下のカレーじゃないか!
しかしマスター、受け取りを拒否。お姉さんに、ちがうちがう、あっちのお客さん、と私たちを指差したからさらに驚いた。
おいおい、あくまでもそこからは動かないのか!
結局一階のカレー屋のお姉さんはしぶしぶ私たちのテーブルまでカレーと福神漬を運んで、おいていってくれた。
出されたコーヒーは、不味かった。
細い階段を降りて外に出た瞬間に2人で噴き出した。
「でも、こういう店結構好きだよ」とお互い言いながら。
それにしても、カレー屋のメニューにはいろいろなカレーが書いてあるのに、なぜ「ポークカレーセット」しかなかったのかが気になる。


午後からはきらきらした爪で雨の銀座を闊歩。
溢れかえる文房具やら雑貨を好きなだけ見て小さなかいものをたくさんしたり、
(スタンプとか、シールを半分ことか、ボタンとか、お互いの恋人に同じ鉛筆を買ったり)
アニエスで色違いのTシャツをお揃いでお買い上げしたり、
おいしい黒豆絞りをお茶うけにして、中国茶を何杯も煎れながら延々とお喋りしたり。
デパートで吹き付けてもらったブリトニーの好奇心という名前の香水は甘くていい香りがした*1


あっという間に夜が更けて、肩をすくめて寒い!寒い!って唄いながらころころ笑って、
歩き回って疲れているはずなのに、手に握ったお揃いのショッピングバッグが魔法のようにいつまでも私たちを高揚させていてくれるのだ。

*1:Babydollが好きならきっと好きになる香り!