自虐の詩(業田良家)
- 作者: 業田良家
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 1996/06/01
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センスの悪いタイトルにうんざりされるかもしれませんが、タイトルから想像されるような自慰物語ではございません。むしろ「放浪記」*1にも通じる清々しさ。ええい、黄河のような雄大さ!
いや、ギャグ漫画なんですが…。
専門書を読んでくすくす笑ったり、映画館では誰も笑っていないところで笑ってしまう淋しい私をくすぐりまくり(→人によっては「どこがおもしろいの?」と言われるかも)。おかげで毎日の通勤タイムがあっという間でした。何度つり革につかまりながら噴き出してしまったことか(とほほほ…)。
そして次で降りる駅、というところで差しあたってしまったラストスパートにはびびりました。いきなり岡崎京子だかなんだかの漫画に迷い込んでしまったようで…ギャグだから良かったのにこれじゃ白ける、と戸惑っていましたが、結局最後では久しぶりに鳥肌が立ってました。うおおおお。
人間は愚かでくだらなくて、でもそこがかわいい。
一生懸命は可笑しいし、不器用も可笑しい。悲しくて泣いていても、ふと気付くと笑えてくるのです。
ここに出てくる幸江も、イサオも、熊本さんも、みんな弱いけど強いから愛しい。でもたぶん本来は誰でもそうなのかもしれないよ。
乙女だとか死にたいとか自分探しだとかなんとか、寝ぼけたこと言って毎日を惚けてるなら、とにかくこれでも読んで笑うべーし*2!