グレゴリー・コルベール Ashes and Snow

チケット&グッズが高いのが難点

ノマディック美術館

ノマディック美術館は、Ashes and Snow専用の移動美術館です。ニューヨーク・ピア54、カリフォルニア州サンタモニカのピアを経て、東京・お台場に姿を現します。この建築物は鉄製貨物コンテナとリサイクル可能な材料で作られたものです。
Ashes and Snowパンフレットより)

展覧会が終わったら解体され、あとかたもなくなってしまう移動式の美術館というところが、はかなくて神秘的。
しかも主な材料であるコンテナは、開催地でそれぞれレンタルして終わったら返却してしまうというのだから好感がもてる(坂 茂氏設計)。
カナダ出身のグレゴリー・コルベールが、15年ほども前からインドやミャンマーやエジプトなど40カ国以上を訪れて、人間と動物の交流を写真と映像に収めた。これはそれらに加えて美術、小説、建築まで一体となったプロジェクトで、移動するたび新しい作品が追加されているらしい。
人間と動物といってもドキュメンタリー作品というより芸術的な風合いで、これが合成ではないなんてにわかには信じ難い完璧な構図だったりする。でも実際に映像作品を見ると、どうやら本当らしいことがわかる。
人間とそれ以外の動物は、食物連鎖の枠を超えて(?)地球上の同じ動物として共に存在していた。
たとえば静かな川を流れる小舟の上で鳥とうたた寝することが、物語の中だけのことじゃないなんて、それだけでちょっとこの世界に対する目が変わる気がするよ。
願わくばもっとこれらの写真のバックグラウンドを知りたいと思った。
お台場*1では2007年6月24日まで。
http://www.ashesandsnow.org/jp/

*1:鑑賞後にはもちろんシナボン