こちらは夏のかまきり

窓は閉めきっているけれど、ごろごろ、ざあざあ、びゅうびゅうと騒がしい。
帰宅してすぐ、ベランダに出していたびしょびしょのトネリコを部屋の中に入れてあげた。
大雨だろうが台風だろうが、こうして夫とふたり、灯りをともしてクラシックなんか聞きながらゆったり通過するのを待っていられるなら、暖かさを感じるばかりで嫌いじゃない。
たびたび登場している「中庭の蛙」は、しばらく見かけていなかったけれど、今日はなんと階段を上ろうとしていた。
中庭に戻そうと抱き上げたら、かつてないほど大人しく手のひらにつつまれて元の位置に落ち着いた。自分でも「あ、これちょっと無理かも…」って後悔してたんだろうか。
蛙はいつも哲学的な顔をしている、蛙が何を考えているかはわからない。