ぼくの大切なともだち

監督：パトリス・ルコント
出演：ダニエル・オートゥイユ 、ダニー・ブーン

壮年にさしかかった主人公が、自分の誕生会の席で「今日出た葬式には数人しか来てなかった、あいつは嫌われ者だったからな」と話したら、全員から「お前の葬式には誰も来ないよ」と言われて愕然とする…という傑作っぷり。一体フランス人ってどんな人たちなんだろう？この感覚、一度フランス人になって体験してみたい。
ストーリーはできすぎてて、ほんとうに友だちがいない人からしたら所詮ファンタジーなのだけど、それでもやっぱりいい映画だった。小気味良く笑えてハートウォーミング、そのうえシンプルで*1満足感をくれる映画はありそうでなかなかない。
傷つくのを恐れたり面倒くさがったりして、人に触れること、親切にすることをけちってちゃだめだよなと、「優しくして優しくされたい」という往年の名台詞を思い出すのだった。
男女の濃い愛の話ばかり扱ってきたルコントが、ここにきてこんな題材を扱うなんて、友人関係でなにかあったのかしらと思ってしまうけど。

評価：★★★★☆

*1:ときどき赤子がぐずっても十分楽しめた