YES オノ・ヨーコ展

東京都現代美術館

オノ・ヨーコの初期から現代までを網羅していました。
期待していた「天井の絵/イエス(YES)・ペインティング」*1が実際に観られなかった(覗けなかった)のは残念だったけれど、見どころの多い、おもしろい展覧会でした。
特に初期のは素朴でシンプルなだけにいちばん才能が光っていた(まるでネタ帳のような「絵」、他人とは思えず。似た意味でドキュメントものも気に入った)。これはちょっと一部のミュージシャンに似ている。
その後はいくらNO WARなんて言ったり、社会的なメッセージを主張したとしても、浮世離れ感は否めない賢いお嬢様のお遊びの数々というかんじ。これもミュージシャンと似ている。だって、いい大人が看板広告を出して書くことが「by John & Yoko」ですよ?ひいてしまう。せめて John Lennon & Yoko Onoと書けっつうのぉ、と前衛芸術などに理解のないごく普通の庶民は思うわけです。
しかしあっぱれなのは変態夫婦っぷり!おちり、おちり、おちりの大洪水♪「No.4 お尻」というすてきなタイトルの前衛映画が暗い小部屋で上映されていたのだけれど、私がその部屋を出るとき、私の前からいた人は誰もおらず、一緒に入った人もおらず、私の後から来た人も次々に部屋を出ていってしまった後でした。80分間いろいろな人のお尻のアップを映し続けるという映画なのですが。何が言いたかったか?わかりません。それよりまず自分も脱がなきゃ!小野さん…。
彼女から感じる図々しさのせいで、彼女個人にはあまり好意を持っていませんでした。結局この展覧会を観てもその部分は変わらなかったけれど、思っていたよりもオモロイ人だということがわかったし、作品は刺激的でした。
でもこういうのが許せないのは、カエルの子はカエル、fuck the「遊び心」な母親を持つ私も結局またそうだということなのかと我が身を振り返ってちょっとトホホな気もしないでもない…。

*1:彼女とJohn Lennonが出会った作品、はしごを上ってレンズで天井に書かれた文字を読む…"YES"