今日は(昨日だ)ひじょうにアクティブで、一日にいくつもいくつもイベントのあった日でした。
お祝いをいくつもして、いろんな人に会って、初めての場所にいくつも行って。
疲れたけれど、楽しかったー。


友人が長年にわたる勉強期間を経て、ついにアノ難関試験を突破したので、本日そのお祝いをするべく友人たちで集まることに。そして私は一週間前、とっておきのお店へ、みんなからの花束を注文しに赴いたのです。
この町に越して来た時からずっと気にしていた一軒の花屋。
ビクトル・エリセの美しい映画と同じ名前で、店構えも揃えているお花もイメージ通りのすてきなお店。
そこに今回初めて注文した花束とあって、とても楽しみにしながら出掛けました。


相変わらず迷って予約時間を過ぎてからお店に着き、急ぎつつもわくわくしながらドアを開けると、そこには豪華なブーケをつくっている店員さんの姿。
わあ、これなのかな?と思って名前を告げたら、

まったくできてなかった…
それは別の誰かへのもので、私の注文票は、壁に刺さったまま忘れ去られていたのでした。
呼ばれて出て来たのは、一週間前にお願いしたあの男性店員。2人は「何も準備してないの?」と言い合っていました。


にっこり笑って「すみません、すぐ作りますからー」と言うさきほどの店員さん。
でも実は急遽これからみんなで集まってサプライズを仕込むことになっており、こちらは時間ぎりぎりだったのです。外に出て友だちに事情を説明し、遅れることを連絡して店に戻ってみると、彼が慌てて作ってくれていました。


「お代を…」と話しかけてくる店員さん。ああ、割り引いてくれたりするのかな?と思って恐縮しかけたら、
「先にいただけますか?」
何も言えずに渡しました。

そして、フルスピードでできあがったその花束には、唯一頼んでおいていたフリージアのお花が入っていないのでした。
「あの、フリージアは…」
と言うと、
「ああ、入らなかったんですよー。」
苦情を言う時間も気力もすでになく、無言でその店を後にしました。


結局最後までなんのメイクアップもなくて、値段の割に少し貧弱な気さえするその花束は、私と友人の華やいだ気持ちが無下にあしらわれたような気がしてみじめでさえありました。
ずっと憧れて、期待していただけに、すごく残念で悲しかったです。
ビクトル・エリセのあの映画はあんなに美しかったのに。
見ているだけにすればよかった。頼まなければよかったのにね。
そしてプレゼントだと、こういう経験は、なおさら悲しく、申し訳なくなるのですね。


こんな、ナンセンスな体験。
それでもあの花屋は、すてきなのに。
もう二度と店先で花を眺めたりしない。すてきじゃなくなるまで。