打ち上げ花火

やっと家に着いて部屋の電球を点けようとしたら、一瞬ぴかりと光って消えてしまった。
あーあ、替えの電球なんて置いてないよ。


電車を乗り継いで、遠くの街の花火大会に遠征した。
何人もの浴衣の女の子たちが続々と集まる。壮観。
特等席の土手で、目の前で上がる大きな花火に歓声を上げて喜ぶ。
そのうち寝転がって見上げていたら、踊りたいような気にさえなって、かばんからこっそりiPodを取り出して音楽を聴きながら花火を眺めるのは格別に気持ちがよかった*1
こんなにたくさんの人と一緒だなんて初めてだったけれど、懸念したよりずっとちゃんと花火を楽しむ雰囲気だったのも嬉しかった(花火大会では屋外飲み会モードの集団もよくみかけるから)。


相変わらず花火はどーん、シュルシュルと騒ぎたてながら大輪の華を咲かせて、そしてすぐに消えた。


初めて会った人たちもいるというのに、私にしてはよく笑って話して楽しくて、上出来だった、はずだった。
だけど結局私はあんなに威勢良く夜空に瞬いて散ることはできずに、
消えた太陽を目指して上へ上へと昇りつめながら長く尾を引く火の光ばかりが残像のように焼き付くのだった。


そうだよ花火は恰好いいよ。そんなに見詰めないでよ。
暗闇の中、もう少しだけ待っててと願う。

*1:なんという協調性のなさ?