女の一生(モーパッサン)

女の一生 (新潮文庫)

女の一生 (新潮文庫)

久々に夜中に最後のページを捲り切るまで読み続ける快感を味わいました。そんな金曜の晩は最高です。
どうやらこういう一代記ものは好物みたいです。「風と共に去りぬ」然り。「放浪記 (新潮文庫)」も近いし。それで、それで、それで?!(その後はどうなるのーっ)という私の欲求を存分に満たしてくれるからかな。
序盤に主人公がいちいちに感激するノルマンディの美しい情景描写、無垢な少女の敏感な神経を刺激するいちいちの描写は、一語一句読み飛ばさせないほど美しくて、一緒に鼓動が高鳴りそうなほどでした。
主人公の味わう、期待を失うということの虚無感は、私が恐れていることでもあるので、ただ痛々しかった…。どこかでレールをスイッチしなくちゃいけないのだ。けど。