郊外へ

監督:トマーシュ・ヴォレル
出演:トマーシュ・ハナーク、ミハル・ヴォレル、バルボラ・ニムツォヴァー、ボレスラフ・ポリーフカ、エヴァ・ホルボヴァー
チェコも日本も一緒なんだなあ。都会のオーバーワーク&ぎすぎすした人間関係に疲れ、田舎に楽園を求めるのは。
チェコの自然豊かな映像は美しかったけれど、登場人物がいっちゃいすぎててあまり共感できなかった。これまでの都会での生活を突然(ほぼ)切り捨てたような展開で、適当で甘すぎる考えと行動には現実感が希薄に思えた。まだ大学生が主人公とかなら認められたかもしれないけれど、子持ちの中堅サラリーマンじゃ、他人の幻想につきあってられるほど余裕ないよ、とうそぶいてしまいたくなる。
村人たちが一生懸命家畜を切り裂いている時に、主人公は喜んで血まみれの生首にカメラを向ける。そんな彼に村人は「じゃまだ。なんでもかんでも撮るんじゃない」と言ってビデオカメラをはねのける。乱暴だけど、当然だと思う。
一方、村の人たちは誰も都会に憧れたりしていなかったけど、都会モノは田舎モノを鼻で笑い、田舎モノは都会モノに反抗心を抱いているという構図は日本とおなじ*1ようにあるようだった。
2000年の作品。
評価:★★★☆☆

*1:ちょうど、競輪のCM(http://ringring-keirin.jp/cm/index.html)みたいに