わたしを離さないで（カズオ・イシグロ）

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

ひさしぶりに引き込まれて一気に読ませられる本に出会った。
「泣くとか泣かないとか、そんな程度の心の震えでは収まらない」というのが帯のキャッチコピー。
私が一度も泣かなかったし、心の震えもなかったのは、設定が衝撃的すぎたから。
とにかく、読後延々もんもんと考えさせられた。そういうことだったのかと思ってまた読み返してみたり。
読む前に予備知識がなければないほどいいので、すでに読んだ人としか話せないというメモの難しい本。
主人公と親友のデリケートな関係とその繊細な心理描写はリアルで懐かしく感じた。