時間のつかまえ方

いつの間にか日記をつけなくなって、そうすると書きたくなっても書き方を忘れてる。
自転車の乗り方みたいに、一度覚えたら一生モノじゃあなかったのね。
小学生の頃、「大人だって昔は子供だったはずなのに、どうして子供(自分)の気持ちがわからないのか」と憤慨して、私は忘れないでいてやる、と日記を付け始めた。で、書きかけのノートばかり何冊も作って(3ページめくらいから真っ白)、自分に子供ができて活用できる目処がようやくついた現在、そのたくさんのノートの行方はさっぱりわかりません。
1年前、2年前には想像もつかなかった時間を過ごしている今、そして湯水のように時間が流れていく今、覚えておきたいことや言葉に代えておきたいことはたくさんあるのに、浮かんでいく水泡のように、かたちを捉まえる前にどんどん進んでいってしまう。
1コでも2コでも、書き取って貼り付けて見えなくなる前に。