ベッドタイム
飲み会から帰ってきた夫が、まだ起きていた息子の前でなぜか似顔絵を描き、寝た。
明朝のためのおいしいパンが買ってあると、ちょっといい気持ちで眠りにつける。
会社に行かない生活になってから、気づけばかなり頻繁にパン屋に通っている。ちゃんと焼き上がりの時間にあわせて行く。
徒歩圏内にお気に入りのパン屋がいくつもあるのは実にすばらしい。
外はばりばりと雨が音を立てて壁をたたきつけていても、カーテンのこちら側では静かに乳児とその父が眠っている。
むき出しになったしましまの小さなパジャマに毛布をかけてあげて、その暖かさにふいにほだされる。
雨の夜に染み出すあたたかさがまたひとつ。