華氏911

@六本木バージンシネマ

監督:マイケル・ムーア
http://www.kashi911.com/

日本のテレビじゃ流れないようなえぐい映像もあった。
相変わらずたたみかけるような演出や、丹念な調査は前作同様。
でも、ムーアといえば!の突撃取材がググッと減ったのがとても残念。
有名になってしまって、取材も難しくなったんだろうか?
議会へ向かっている議員に「あなたのお子さんを戦場へはどうですか。」と呼び掛けた時の言葉を失った議員の顔、あれこそが真実だろうと説得力を感じるのに。ああいうのがもっとみたかった。
実際のニュースやなんかの映像をつなぎあわせたものが多くなっていて、コロンバイン*1より標的が大きくなったせいか、インパクトもdiminished気味でした。ここで初めて暴かれるような事実もほとんどなかったし。
彼のベストセラー「アホでマヌケなアメリカ白人*2でブッシュのバカさ加減についてはさんざん知らされていたこともあり、痛みを伴う笑いも前回ほどではなかった。
とはいえこれだけの熱意をかけて、こういう鼻で笑われがちな主張を全身全霊でしてくれる彼には敬服します。
ビバ理想主義。
アメリカ人じゃなくてまだ良かった、と思ったけれど(「もう笑っている場合じゃない」*3)、小泉首相を愛嬌だけで許している日本人も大差ないよなあ。

評価:★★★☆☆
(コロンバインほどではなかった。)

*1:ボウリング・フォー・コロンバイン

*2:ISBN:476012277X

*3:昨日のNYの反戦デモで誰かがかかげていたプラカード