三四郎(夏目漱石)
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1948/10/27
- メディア: 文庫
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でも全然まだイケル。たぶん20代なら遅すぎることはないのではないでしょうか。
会話がおもしろい。与次郎(「愛すべき悪戯者」)の「人間は自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいもの」だとか、隣のテーブルの会話であっても頷きたくなるようなかんじ。特に広田先生の親切の話は嬉しかったな。もちろん、そこここの相変わらず飄々としたユーモラスな表現にも何度も吹き出した。
しかし、三四郎の経験は普遍的で共感できる人も多いと思うけれど、これじゃあなぜ美禰子が三四郎に恋をしたのか私にはさっぱりだ。ずっとうじうじして、物も言わず立ち尽くされたんじゃいらいらしちゃう。余程自覚症状のない色男でもないかぎりね。
だいたい、この本の中で惚れることのできる男の人って相当難しいのでは。私の趣味の問題かな…。
思い返してみれば、この小説では人物描写はどれもあまり深くなかった気がする。次がどうなるのかが楽しみ。
それからそれから?