共生虫(村上龍)

共生虫

共生虫

もう何ヶ月も前の旅行前に古本屋で100円で手に入れた本。カバーが良かったからかな。
サイバーなやりとりの文章の古さ、ダサさに苦笑した*1。おかげで、小説を読んでいるつもりなのに、脳裏に村上龍本人ばかり浮かんできて閉口した。
後半、引きこもりが屋外で野宿するところで、太った引きこもりになぜこんなサバイバル能力があるのかとてもふしぎだった。文章を読む限りとても身軽で、私よりずっと動けそうだし、初めての不慣れな作業もすべて段取りよく器用にこなしているようだったから。
しでかした後、捕まるところや、その後が面白い気がしていたのだけれど、それはなくて残念。
これからいろいろと解説を読んだりすれば、面白くなるのかな。あとがきが唯一理解できた。


もしも読むなら5年前に読む本だったけれど、世代の主体が読むための本ではない。その観察者が同じ舞台にいる者に向けて書いた、解説的フィクションだという気がした。

*1:そのことを愚痴ったら、「当たり前だ、読むのが遅すぎる」と言われた。ほーんとだー