悪童日記( アゴタ・クリストフ)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

これはおもしろい! 一気読み。
三部作で、あと二作あるというので続きが楽しみ!!
「にんじん」みたいな、少年少女名作集風で少なくともR15は確実という、フランス風(?)過激さが尋常でない。なんでそんな変態ばっかなんだ?
舞台はハンガリー(明言されていないけど)。東欧の厳しく複雑な歴史は、こういうシニカルで、機微を備えた生命力たくましい作品を生み出すのだなあ。
さめたような観察眼に、過酷な状況でいっそう浮き上がってくる人間の本質(温かさ、ユーモア、愚かさ)みたいなものがありありと写し出されるかんじは、同時代のチェコの映画(厳重に監視された列車、id:pir:20050906:p1)同様に感じた。
大げさなこと言うやつより、事実を淡々と述べるやつのほうが信用できる。
双子が警察に捕まったとき、さりげなく一緒に絶食するおばあちゃん(夫殺し)がナイスだった。