鈍感力(渡辺淳一)

鈍感力

鈍感力

なぜこんな本がベストセラーになってしまうのか…。がっくり。
鈍感という言葉は否定的に使われてるけど、敏感すぎるのも考えようだよ!鈍感なほうが得で楽で、いいよー、というだけの本。たぶん「鈍感力」が必要な人は別に好きで敏感でいるわけじゃないと思うんだけど。
本書ではかんじんの「鈍感力を手に入れるための方法」については一切触れられず、鈍感ってすばらしい!に終始するのみという、さすがの鈍さであった。
鈍感を鈍感力にしてしまったポップさの勝利か。この鬱蔓延&「空気読め」時代にふさわしい提言だと思う。
私が唯一身につまされたのは、職場における鈍感力。何を隠そう、気がつけば私の最たるストレスとなっている気がするのは隣の席の男性*1なのです。
しかし、こういう気に障る相手っていうのはどんな環境でもいるものなんだから、そういうのが気になってしまって自分がかき乱されるようではだめだと。
じゃあ教えてよ淳一先生! 気にならなくなる鈍感力のつけかたを。私なりにいろいろ試してはきたのですが、気になる時は気になって、下っ端で直接文句が言えないだけに苛々させられてしまって、この無駄なストレスが憎らしい。
何のヒントも与えないで満足そうに書き終わる「鈍感力」、おそるべし…。

*1:がたてるさまざまな騒音