おかあさんと呼んで

ご機嫌でなにかを喋っていることがめっきり多くなった息子。
意味のある「言葉」では全然なくて、ギガー、とか単なる母音と子音の組み合わせ。
だけどこの間、その不思議な声が「アタータン、アタータン」って、え、それって「おかあさん」?!
「今、おかあさんって言った?」
と聞き返すと同時に涙が湧き出そうになって驚いた。頭ではそんなわけないと思うのに。


思えば出産時、「感動して泣いた」なんてよく聞くので、ちょっと楽しみにしてたのだった。自分には縁がなさそうだなーとは思いつつも、顔を見て涙が出てきたりするなんて、そんな未知の巨大な感情はどんなものかと。
だけどやはり全然そんなことはなくて、やっぱりなー、とつまらなかったけれど、なんだかその片鱗に触れられた気分。
touchedという表現がわかる気がする。直接心が震えるんだね。もう嬉しいとか飛び越して。やっばいね!


翌日、「ホラ、おかあさんって言ってる!」と私が主張したのを聞いた夫は「アテュテュとしか聞こえないけど?」。
んー、やっぱりそうか。
だけどこの先こんな瞬間がたくさん待ってるのかと思うと、まさにラビアンローズではないの。
以来、「おかあさんって言って」と息子にねだっているけれど、まったく相手にされません。