八甲田山死の彷徨(新田次郎)

残暑厳しかりし頃、「涼しくなって暑さが和らぐ」と夫に推薦された本のひとつ*1
たしかに涼しい。というか涼しいどころじゃない。雪山で遭難して百人以上亡くなるという話なのだから。
軍隊用語に最初戸惑うが*2、じきに引き込まれたらその先は、これも通勤列車ワープ本。
山を下りてからの、生き残った人たちのその後もとても興味深かった。
それほどに優秀な人さえも、無謀な戦争であっさり命を落としてしまう。戦後の復興時にその能力を活かしてくれていたらと、なんと勿体ないことだと、現代の私は思う。
それにしても、裏表紙にばっちり書いてあるから知ってはいたけど、神田大尉……哀しかった。
YesはYes, NoはNo!(「アメリカでは」より)です、大切です。

*1:iTunesに己の聴く曲を選ばせるが如く、「なんかおもしろい本ないー?」と人頼みで本を選ぶというダメさが愉快で、なかなかお気に入り

*2:大尉と少佐とではどっちが偉いんだかとかわからなかったし