青春の日々

おやつのじかん

フィクションもノンフィクションも、辛いことがたくさんある、無惨な現実に胸がチリチリと痛む、ふと傍らに目を遣れば、あんなふうに笑ってくれる子どもというのはこの世の天使なんていう言い方も言い過ぎじゃないなんて思えて来る。
子どもがもたらしてくれるこの生活は、私にとってもうひとつの青春と言ってもいい、我ながら年寄り臭い言葉だけど。
このあいだ(そうこのあいだ)の青春に比べて、その果実を味わって咀嚼し、記録する努力を惜しんでいることを実に勿体ないと常々思いながらも、そうすることはいくつかの意味で前回よりも難易度が高く、結局怠惰にもつぎつぎと後ろに流し去ってしまっている。
1年以上も前から、息子と町を歩いていると、母親業の先輩と思われる壮年の女性たちに「今がいちばんかわいい時期よ!」と幾分やっかみ気味に言われ続けているのは、この日々がやっぱり青春時代だからなのだろう。あいにく、まだかわいいけど。


あっでもそういえば、十代の頃に父に青春時代とはいつかと尋ねたら、父は「一生青春」と言っていた。じゃあ、いいか。
いや、そうじゃないか。