ヒミズ
監督・脚本:園子温
出演:染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、窪塚洋介、西島隆弘
原作:古谷実
"おれはたまたまクズのオスとメスの間に生まれただけで、だがおれはクズじゃねぇんだよ!
おめぇらみてぇなクズじゃねぇんだよ!
おれの未来は誰にも変えられねえんだ。お前らみたいなクズにはならねえ。
おれは立派な大人になるんだ!"
住田くんのこの台詞と、家庭に恵まれず、戦う二人がそれぞれ隠して流すかみ殺した涙が印象的だった。
観た人を少し原始的にさせるような、熱を持った映画。
園子温作品だからとおそるおそる観たけど、そこまで不快なシーンもなくってほっとした。
とはいえときに赤子をあやしながらの鑑賞で、赤子を膝の上にすわらせながら一緒に観てしまったけど、とてもそんな映画ではない。
津波に襲われたがれきの町の風景のシーンは、作り物じゃなくて本物だから、それを映画に活用してしまう図々しさには抵抗感をもった。作り物だったら、これがオハナシだったらどれだけいいだろうって。
そして延々と広がるがれきの町の映像に、実は私はまだ震災の現実の重大さを受け止められていないんじゃないかという気がした。あまりにも大きすぎて、部分部分でしか理解できていない。
目が合うだけで楽しそうに笑ってくれる、私はこの子を精一杯抱きしめて育てよう。
二階堂ふみが宮崎あおいに見えるのはもちろんだけど、染谷将太は色っぽい松潤のように見えたのは、年齢に伴う情報処理能力の限界か…?
鬱陶しいイメージのある窪塚のスターな役者ぶりにも驚いた。
★★★☆☆
園子温はけして好きじゃないけど、後をひく。
シリーズものの絵本
息子(弟)が生後半年をすぎて、おののくのは子どもの成長の早さもさることながら、育休の過ぎる早さであります。
息子(兄)のシリーズもののブームをメモ。
・かがくいひろし「だるまさん」シリーズ。0歳代。
・「アンパンマン」と同じくらいの時期から好きだった「リサとガスパール」はほとんどを繰り返し読んだ。もうすぐ新刊が出るっていうのに、残念ながらブームは去りつつあり、めっきり図書館で選んだり、本棚からもってくることがなくなった。同じ著者で最近はときどき「ペネロペ」シリーズを借りて来るけど、私にはやっぱりリサ&ガスのほうが断然おもしろい&かわゆい。
・「バーバパパ」シリーズ。意外だったけれど地味に人気。2歳代から、全員の名前と顔が一致しない程度に借り続けている。
・「エルマー」シリーズは3歳後半くらいから、「バムとケロ」シリーズはその少し後から、どちらも引き続き好評。どちらのシリーズも「絵がきれい、上手い」と夫にも好評。保育園で気に入って借り始めた「バムとケロ」は、私はバムの顔(目の下のたるみ!)が苦手だったけれど、読んでみるとその描き込みの細かさが楽しいし、キャラクターの性格も楽しくてだんだん好きになってきた。
・黒川みつひろのトリケラトプスのシリーズ。保育園の3歳児クラスで男子に人気。たたかいごっこへの目覚めと共にこれでにわかに恐竜好きになる。ほぼ読破し、現在は下火。
・宮西達也のティラノサウルスのシリーズ。「おまえうまそうだな」はともかく、「あなたをずっとずっとあいしてる」「ぼくにもそのあいをください」「あいしてくれてありがとう」とタイトルだけで胸焼けしそうなシリーズでベタベタな話ばかりなのだけど、息子は食傷の気配もみせずみつけては借りて来る。
あと「もぐらくん」(クルテク)、「だるまちゃん」、「11ぴきのねこ」など…。
私の小さい頃は「ノンタン」や「ぐりとぐら」シリーズが家にあってよく読んだけど、息子はあまり興味がないみたい。
シリーズものは、その世界がぐんぐん広がっていくようで楽しいね。
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保育園の先生
最近の私は、変化、もしくは成長を続ける息子(1)に対応できず(端的にいえば、やんちゃになってきた息子に手を灼いて)、毎日苛々していて、そんな自分に落ち込んで、わりと困っている。
0歳の息子のほほの手触りや、私に向けてくれる混じりけのない笑顔やたまらなくかわいいおしゃべりの声が、苛立つ気持ちを癒してくれるのを実感しながらも、また周囲のあれこれに飽きずに苛ついている。
保育園で朝、新しい担任のA先生に、私が息子のはしゃぎすぎに困っていて、と話したら、
「お母さんに早く迎えに来てもらったら?」なんて息子に言うので驚いた。
保育園にフォローをお願いしたくて子どものようすを伝えたつもりが、むしろ家庭に押し返すような対応をされたという話を先日ママ友に聞いたばかりだったけれど、あのときは「息子の園ではそんなことはないよ、ひどいねー」と完全に人ごとだと思って返事をしていた。
その日はすっかり脱力して帰った。もう少し力になってもらえるかと、私は淡い期待を抱いていた。
しつこく僅かな希望を抱え、別の日にもう一人の担任のB先生にも話してみたが、
「そうですかー、出てきましたねえ」と軽く流された。(何が?自我が?)
保育園の先生たちは、なべてどの先生もいきいき溌剌としているのだけど、エネルギーのかたまりのような子どもたちに囲まれていても、A先生はなんだか心ここにあらずといった雰囲気で、そこだけなにか空気が冷たいようなかんじがする。そのたたずまいは、穏やかといえば穏やかともいえる。
ある日、息子に「A先生はやさしい?」と訊いてみたら、しばらく黙ってから「…目がこわい」。「○○くん、おめめを見たことあるんだよ」と。
内心意外な答えにひるみつつも、そうなんだ、じゃあB先生は?と訊くと、すぐに「やさしい」と。B先生はほかの先生にも怖いと言われるほどびしびし怒るので、こちらは「こわい」と言うかと思っていた。
ボキャブラリーの未熟な子どもでも、「目がこわい」なんて感じるんだ、と感心している場合ではなく、また母は気がかりになる。
A先生と息子(たち)は、どんな空間を共有しているんだろう?
産後2ヶ月
第二子(息子2)が生まれてからというもの、息子1との間に微妙に距離ができた気がしている。
息子2が眠っているときに抱きしめてみたりしても、なにかちょっと前とはちがう。
2、3ヶ月前、まだ赤ちゃんがおなかにいた頃に、ふたりでごはんを食べにいったりしたのが遠いことのよう。
息子1はわかりやすい赤ちゃんがえりをしたり、やきもちを妬いたりすることはなく、家族の新メンバーをやわらかく受け入れてくれているように見える。
当初は極端におねしょが増えて、連日のように布団を干したり、朝に登園をいやがったりして(「ずっとおうちにいる!」)いたけれど、それも長くは続かなかった*1。
おむつ替えのときにはおむつを渡してくれたり、泣いていると慌てた顔で「赤ちゃん泣いてるよ!」と教えてくれたりする。
そんな息子1を、これまで通りからだ全体で受け止めていたい気持ちとはうらはらに、授乳しながら片手間で話を聞いているのが現状。
息子2に対しても息子1の相手をしながらの片手間感は否めず、どちらに対しても片手間でしか向き合えないもどかしさを感じながら過ごしている。
*1:今、2歳のイヤイヤ期を思い出した…、そんなこともありましたな
つむぐ言葉に(2)
私をはじめ、保育園の先生やクラスメート、絵本やテレビの登場人物など、いろいろな人(モノ)からことばを取り入れ続けている息子。
ことばに限らず、親の様子や反応をうかがっていて行動に反映させることも多く、ものの扱い方などはもちろん、今日は道を歩いていたときに「(すれ違った人に)『かわいい子』っていわれた♪」とわざわざ報告に来たので「へー、よかったね」と返しながら内心ドキッとした。これまでそんなふうに言われることがあっても無頓着だったのに、親が嬉しそうなのに気付いてしまったのかしらと。
よく、「子どもの前で夫婦喧嘩をしないこと」とか「父親や姑の悪口を言わないこと」とかきくけど、たしかに、夫をはじめ、いろんな人との接し方も見本としての自覚をもたないとまずいことになってしまいそう…と焦る私の素行の悪さよ*1。付け焼き刃は通用しなさそうだけど、とりあえず来年からがんばる、と。
日々すぐ忘れちゃうけど、最近の“内心驚いたせりふ”、いくつか。
・ヘルパーさんに、私の代わりに保育園に迎えに行ってもらった。彼女が帰宅したあと、「○○さん(ヘルパーさん)のこと、好きくなってきちゃった…、最初から好き」。
・お店で洋服を選んでいる時、「これがいい」と持って来て、「○○ちゃん(クラスの心酔している男の子)に似合うかも」。
*1:注:上記のことをすべてしているわけではありません
うさこちゃんとあかちゃん(ディック・ブルーナ)
もうすぐ弟が生まれる息子の役に立つかと、図書館で何冊か絵本を借りてきたなかの一冊。
おにいちゃん、おねえちゃんになるというテーマの絵本は、ママがとられて赤ちゃんがめざわりだ、だけど…という内容が多いなか、純粋に赤ちゃんの誕生を喜び、いとおしむこの素朴なおはなしはどうかなと思ったら、息子は意外なほど目を輝かせて聞いていて、そのきらきらしたうれしそうな表情は録画して繰り返し何度も見たくなるようなすばらしいものだった。
ああ、こどもって!
これがブルーナの実力?デザインだけじゃないのか。